July 15、 2003 日本語版サイト http://www.rrcorp.co.jp/
英語版サイト http://www.upfrontezine.com/
今週号の内容:
*SolidWorks 2004メディア向けイベント
*3dConnexionの新デバイス
*CADコラボレーションの活用者は誰かいないか?
*プレスリリースのサマリー、及び他のレギュラー項目
SolidWorks 2004メディア向けイベント
レトロ調の復活か? SolidWorksはSolidWorks 2004をお披露目しようと、マサチューセッツ州ケンブリッジにCADメディアの25人のメンバーを招待した。25人の中で、一人だけがノートブックコンピュータを、もう一人がキーボード付きのPalmOSデバイスを持参していたが、他の23人は紙の上に手でメモを取っていた。昨年はプレゼンテーション入りのCDをSolidWorksは配ったのだが、今年配られたのは20mmもの厚みがある書類一式であった。
先週upFront.eZineはSolidWorks 2004が既に入手可能と報じたが、今回のプレスイベントではリリース日は8月中旬という発表であった。私がリリース日の違いについて質問すると、数名のSolidWorksのお偉方は、自分達がプレスリリースで使った表現、“SolidWorks 2004は世界中の12言語のバージョンが直ちに購入できる。”、に当惑していたが、結局次のように表現すべきであったという結論に達した。現時点でSolidWorks 2004購入の支払いを行うとSolidWorks 2003を手にすることになるが、8月に出荷された時点でSolidWorks 2004が手に入る。
しかしながら、12言語でのバージョンが同日に出荷され、各国のユーザは6ヶ月も待たされることがないとは大したものである。
“安売りの張本人”[Inventorの安売り]としてAutodeskを責める大胆な発言がいくつかあった。SolidWorksは我が道を行くということで、“価格戦争に巻き込まれることはない。”
250を越える新機能(SolidWorksの言い分によれば)と聞いて、エディタの一人がユーザ企業はそれでもまだCATIAを購入する理由があるのかと尋ねた。回答:CATIAでは出来ることでSolidWorksでは出来ないことがいくつか存在すること、及び二つの製品にはファイル互換性がない(実際、SolidWorksは自身の旧バージョンとのファイル互換性もない)。CATIAとのファイル互換は実現されないだろう。なぜなら、SolidWorksとCATIAはそれぞれ異なったマーケットで使用されるからである。ボーイング社で2,000セットを受注すれば、それは最悪のことであるとSolidWorksは言っていた。理由は、そうなれば顧客はファイル互換性を要求するに違いないからである。“互換性に注力することはプログラミング・リソースの無駄使いである。”
その他の興味深い点:SolidWorksはItaniumのような64ビットCPUをサポートすることに関心を持っていない。理由は、64ビットのデスクトップコンピューティングへの全体的移行が現在の経済状況により遅れていることにある。“最終的には64ビットは重要となるだろう。”
このメディアイベントに集まったエディタ達の興味を大いに惹いたのは、SolidWorks 2004のフォトレアリスティック・レンダリングに対するサポートであった。しかしながら最新のnVidiaグラフィックスカードを使っているコンピュータに限定される。モデルのプラスティック材質の表面上に周囲のビットマップが映し込まれている状態で、モデルの回転や編集ができる。
他のCADパッケージも持つべきだと思う新しい機能は“設定材質記憶”機能である。材質(アルミニュームや鋳鉄など)を部品に指定すると、レンダリング、マス・プロパティ計算、2Dハッチング等々、その部品はどのような状況においても自分の材質を覚えているという機能である。
タスク・スケジューラの考え方も私は好きである。自動的に、SolidWorksは図面を作成してe-ドローイングをパブリッシュし、ファイルのインポートやエクスポート、及び印刷や更新を行い、さらにカスタムスクリプトを実行する。
他の新機能の一部:
*
自動バルーン生成;部品表と穴テーブルの自動作成
*
板溶接と構造部材レイアウトの自動作成
*
配管配置;モールド自動作成
*
ダイナミック・セクショニング
*
最大/最小応力部の表示;自動厚みチェッカー
*
変形、包絡、削除、充填;等々
SolidWorks 2004に続くリリースに対して、同社はさらに操作の容易性、信頼性向上、大規模アセンブリでの速度向上、及びグラフィカルな隠線消去などを加えていきたいとしている。
今回のイベントの終わり頃に、SolidWorks JapanのFuyuhiko Usuiが日本の経済状況に関する意見を述べた。“経済状況の悪さについて語ることにはもう飽き飽きしている。しかし底は打ったのかもしれない。” 日経インデックスが26%上がったこと、電気製品や精密機械の売上げが伸びていること、など同氏は良い兆しが出てきたことを説明した。[おそらく私の所有しているJapanese Opportunity Fundにも望みがあるのだろう。]
北米企業は設計拠点は本国に残し、生産を海外で行っているのに対し、日本企業はその反対のやり方である。設計を海外に移し、生産拠点は国内に残している。
http://www.solidworks.com/
3dConnexionの新デバイス
Logitech(別名3dConnexion)のBrad Smithから電話があって、同社の3次元“マウス”の最新型の説明があった。SpaceTraveller(US$599)はノートブック・コンピュータ用で、他の同種製品の1/10のサイズである。コントローラ上には8つの青く光るボタンが付いていて、アイスホッケーのパック形状に似ているが、直径は僅か2インチである。3Dモデル(CADのような)や非常に大きな2Dモデル(巨大な表計算シートのような)を取り扱うアプリケーション用として考えられている。
同社の3Dコントローラは負荷加重を感知する。コントローラを左右や前後に押せばモデルがx軸やy軸方向に動く。上に引き上げたり下に押し下げればz軸方向への動きとなる。
3dConnexionの他の製品:
*
SpaceBall 500 (US$499) – スタンドアローン型の3Dコントローラ、USBコネクタ付きで高精度
*
SpaceMouseは同様な製品だが欧州で販売
*
SpaceNavigator (US$299) – SpaceBallをLogitechのキーボードに統合
悪い方のニュースとしては、公のインタビューで事業は順調とCEOが述べたその翌日に、第1四半期の営業利益が予測の半分の800万ドルに落ち込むという発表を同社が行い、Logitechの株価が1/3も暴落した。同社の年間売上げは12億ドルである。
http://www.logicad3d.com/
CADコラボレーションの活用者は誰かいないか?
‘ハリーポッター’のドイツの読者達は、正式のドイツ語版が10月まで入手できないという理由から<http://harry-auf-deutsch.de/>、コラボレート(協同)してドイツ語翻訳作業を行っている。出版元の犯した大きな手違いを取り繕うために、出版元は翻訳ボランティア達に対して訴訟を起こすという脅しを掛けている。
先週、CADにコラボレーションを活用している読者があれば、その体験談をupFront.eZine宛に寄せて欲しいと私は頼んだ。応じた人は誰もいなかった。この場合のボランティアは訴訟を受けることはないのであるが。
関連ニュースであるが、‘MCAD’マガジン<http://www.cadserver.co.uk/>が6月に行った調査結果を発表した。270名のボランティアが回答を寄せた。
あなたの会社ではPLMを使用していますか?
Yes:
7% No: 93%
あなたの会社ではPLMを検討していますか?
Yes:
12% No: 88%
ベンダーはPLMに関する十分な情報を提供していますか?
Yes:
23% No: 77%
プレスリリースのサマリー
見落としていた人のためにCAD関連プレスリリースのサマリーを掲載しておきたい。
STEP Toolsは、STEP-NCを使った機械加工用の加工プラン、必要工具、及び形状寸法などを見るためのビューイング用ソフトウェアSTEP-NC
Explorerを売り出す。
http://www.steptools.com/products/stncexplorer
Andrew Blyholder <andrew@argsf.com>はAutoCAD 2002をサポートしているColor Swapの正規のコード(このソフトウェアは図面をクライアントの指定したペン色標準に変換する)を購入したいと考えている。“ブロックや外部参照での色設定の複雑な入れ子構造を処理する優れたプログラムである。我々にとっての問題は、著作者の行方が分らないことである。”著作者はオーストラリアのビクトリア州ガーデンベールに住むBrad McCurtayneである。同氏のWebサイト、電子メールアドレス、及び電話番号には現在アクセスできない。
DRCAUTO SoftwareはAutoCAD
LT 2004の内部で動作するLISPを入手した。
http://www.drcauto.com/
エディタのNeil Bucaloの言によれば、‘CKD’マガジン(Cadkeyユーザ対象)の創刊号が7月1日にPDFファイルの形態で発行された。http://www.ckdmag.com/
他の多くの3D CADベンダーと同様に、Solid Edgeは“2Dユーザに光を”、別名“3Dへの進化”と彼らが呼んでいるプログラムを推進中である。“…….業界アナリストの推定では未だに何十万という2Dユーザが存在している…..” 2Dユーザ数は何百万という数だと私は思う。それはともかく、EDSは40万の2Dユーザを3Dモデリングに引き寄せる4段階作戦を今後2年間に渡って考えている。http://www.solidedge.com/press/2003/071403.htm
“Revitには失望?”というシンプルな全ページ白黒の広告をオーストラリアのarkiTech社が<http://www.buildingsimulation.com/>‘Multi-CAD’誌に掲載している。ArchiCADへの乗り換えの誘いである。それに応えて、何者かが(Autodesk?)“ArchiCAD、それともRevit? 決定は下された。”という同様にシンプルな反対広告を掲載した。Bill Berry Architectが出した証言レターには、1月に見たRevitのデモに大いに感銘を受けたということが記されている。
AutoCAD 2004 にAutodeskが入れなかった機能が、http://www.caddzone.com/から99ドルで入手できる。AcadXTabsは図面間の素早い切り替えを行うタブ付きバーを追加する。
セミナーとコンファランス関連の情報
人事関連の情報
David Towertは共同創設者兼CTOであったMeridian Project Systemsを去り、別のソフトウェア会社を設立する。
AutodeskはKevin
IsonをManufacturing
Solutions事業部の英国とアイルランドにおけるビジネスユニット・マネージャーに任命した。Ison氏はSolidWorksのリセラーであるSolidBase
UKを設立した人である。
一見の価値あるWebサイト
http://uptime.netcraft.com/up/hosted?netname=MSFT-IDC,213.199.144.0,213.199.159.255&order=max
Netcraft.com
テーブルにはLinuxとWindows
2003 サーバー上で走るMicrosoftデータキャッシュの最長連続使用時間が示されている
Entire contents copyright ©2003 by upFront.eZine Publishing, Ltd. All rights reserved worldwide. Article reprint fee: $500. All trademarks belong to their respective holders. "upFront.eZine," "Talking About Issues in CAD," and "On your desktop every Tuesday morning" are trademarks of upFront.eZine Publishing, Ltd. Letters to the editor may be edited for clarity and brevity. Opinions expressed are not necessarily shared by upFront.eZine Publishing, Ltd.